『問いつめられたパパとママの本』を読んだ
この度、本棚を塞いで鎮座していたベビーベッドを片付けたので本棚にアクセスしやすくなりました。
やったねアクちゃん!
本が(買い足されて)ふえるよ!
さて閑話休題。
以前本屋で見かけ、手頃なサイズ感とタイトルからほんの少し漂う悲壮感から購入したのがこちら
『問いつめられたパパとママの本』伊丹十三著
さすが恵文社、愉快な本揃えていらっしゃる。
この「問いつめられた」が何かというと、自分も分からないことを子供に聞かれた親の状況のこと。
子供にされて困る質問のあれこれをどう答えたもんかという視点から科学的な現象のあれこれを解説してる本ですね。
本著で代表的で最初に取り上げられてる質問は「赤チャンハドコカラクルノ?」ですし。
「理数科にうとく、どちらかといえば文学的なあなたのための本。」
と説明が入っているようにそれほど難しい科学的な説明は多くないので読みやすい。
空が青い理由とか、TVが映る理由とか。
しかし私が個人的に面白いと思ったのは質問と解答の時代性ですね。
先ほど例に挙げたTVが映る仕組みとかブラウン管前提だし、海苔を火であぶるのとか今時やる人もやる材料と環境もレア中のレアだろう。
極めつけにとある質問例「ドウシテ未開人ガイルノ?」
未開人て。意味は分かるけど初めて目にしたわその単語。
よく小説の描写でその時代らしさが表れてるというのは聞きますが、こういったエッセイとか身近な物事の応答にも時代らしさは表れるんですね。
初版が1976年らしいのでそりゃ時代性も表れますわね。
今が2021年だから45年前…半世紀近く前に書かれてるのか何だかすごいな。
科学的な説明を分かりやすくした内容も興味深かったけれど(空の青さのレイリー散乱の説明とか分かりやすいと思う)、時代性のある独特な表現の例示に興味を持ってしまった本でした。
子供の質問に慌てず答えたいなら、この本も参考にはなるかもしれませんが親で話し方を相談しとくのと図鑑あった方が役立つとは思います。
身もふたもない感想ですがここまで。